感想は観想に似たり 3rd

アニメ・ゲーム・ライトノベルなどの感想を、趣くままに書き綴ります。

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スプライトシュピーゲル4 感想

常であればオイレンのほうを先に読むのですが、今回はスプライトの方が先に発売されたこともあり、こちらから読みました。どちらかといえばスプライトよりはオイレンのほうが面白いなと思うことが多いのですが、今回はスプライトの出来がものすごく良く、相当に楽しめました。今回もまたまた戦術レベルでも戦略レベルでも困難かつ複雑に絡み合った事件が発生します。

#読んですぐに感想を書こうと思っていたのですが、内容的ボリュームがあまりにも多かったため、なかなか書き進めず。想いはたくさんあるのに、うまく文章にできないもどかしさと戦っておりました。


怒涛の勢いで進んでいく物語の本線はひとまず置いておき、まず今回特に面白かったのが世界統一ゲームの描写です。ここ、おそらく冲方先生はかなり力を入れて書かれたのではないかと推察します。なんというか、パワーを感じますね。マルドゥック・スクランブルのブラックジャックの場面と同じような感覚。ぐつぐつと複雑に煮詰っているにもかかわらず指が勝手にページをめくっていくほどの疾走感かつ力感から、ゲームにもかかわらずまるで本当に自分たちがそういう立場にいるかのような感覚がリアルに伝わってきます。そしてそのリアル感から、統一に至った場面のメンバーの感動にものすごく共感できるんですよ。


このゲームの重要なところは、MSSメンバが証人達に対して賢人として認識し、心の底から真に守るべき存在として扱うようになることと、もうひとつ、現実の世界の複雑さと困難さというものを身をもって体感したということ、大きくはこの2点です。そしてこの2点が、圧倒的な絶望感・無力感を乗り越え、自分たちの街と自分たち自身を守る、という最終的な帰結点に向けた布石となっています。


一生懸命最善の策を考え、講じているつもりにもかかわらず得体の知れないものに振り回され、全く予期していない結論を導き出す。そしてゲームを終えた現実の世界では、それよりもはるかにひどく救いのないと思えるような事態が発生。賢人からは夢を見るなと言われ、でも、それでも己の持っている夢を信じて、今出来ることを全力でやっていこうという思いで、自分自身を、時には他人の力を借りて叱咤する。何が本当かもわからない状況で、目の前の事実、与えられた情報、それを見ている人間としての自分自身、それのみを、否それこそを頼りに、出来ることをする。私の守りたいものを守るために。


虚無感を感じつつも、それ自体が決して無駄ではないとわかっていて、その先に進むべき未来を見据えている証人達の態度があったからこそ、鳳自身もそれらを乗り越えることが出来たんだろうと思います。


善とはなんだろう。悪とはなんだろう。誰にとっての善なのか、悪なのか。それをする人は果たしてどうなのか。考え出したらきりがない問題でも、なんとか世界を間違った軌道から直すために、出来ること、出来ると信じたことを全力でやりつくす。全員が、究極的に個人の信念で動きつつも、それがもたらすものは本当に世界のことを考えた結果の行動であり、決して個人の損得の範疇で捉えられるようなものではない。そして誤りも、後悔も、自分が成したことの何もかもを正当に評価し、飲み込んで進んでいく。本当に力がある人っていうのは、こういう人たちのことを言うんだろうなと、素直にそう思えてしまいます。


世の中に本当にこんな人が居るのかと思う反面、きっとどこかに居るんだろうな、居て欲しいなという期待も持ってしまいます。


冲方先生は、人間と人間が成す事、そして人間が作り出す世界を心から信じている、少なくとも全力で信じたいと思っているんだなぁ。と思いました。人間に対する愛がないとこの作品は作れないし、読者にこれだけのパワーを与えることは出来ないですよ。


結局この感想は全くまとまりを見せておりませんが、本当に素晴らしい作品だということを少しでも伝えられたら幸いです。
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