感想は観想に似たり 3rd

アニメ・ゲーム・ライトノベルなどの感想を、趣くままに書き綴ります。

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ほしのこえ 感想

作ったのはアニメーション制作会社などではなく、新海誠氏の個人作成の作品らしいです。詳細はこちらから。
それがどういうことなのか業界人ではないのでよくわかりませんが、きっととても大変なことをやっているんでしょうね。
まずはグラフィックですが、前評判どおりとても綺麗な映像でした。メカニカルな部分での描写は特に素晴らしいと思います。

その辺の作り方も先ほどのHPに載っています。なかなか面白いですね。


本編ですが、短い時間ででズバッと伝えたいことを伝えている感があり、とても好感が持てます。


超長距離による通信タイムラグがもたらす、二人の間の心のつながり。
そのことが意味するもの。そのことがもたらすもの。それぞれの結論。



今やどこでも(少なくとも日本では)当たり前に使われており、「相手に情報が伝わる確率」という意味では最も信頼性が高い携帯でのメールのやりとりを基点としながら、その最も信頼性が高いはずの携帯メールを使用しているが故に逆に二人の間に長大な距離が横たわっていることを感じている、という非常に面白いシチュエーションの物語だと思います。



相手の近くにいること≠相手を身近に感じるということ≠相手を想うこと

「≠」ということは、近いからといって身近に感じるわけではな、という意味でもあれば、遠いからといって相手を想っていないわけではない、という意味でもあるわけで、この物語の中では現代のコミュニケーションの特徴・問題点を、逆の視点から描いているように感じます。現代のメール社会が持っている様々な意味の距離感の大切さとか、難しさとかを婉曲に表現しているように感じました。

もっと言うと、今の世の中でとかく問題として議論されるのは前者(相手を身近に感じない、感じたくない、感じられない)の視点ばかりのような気がします。そしてその原因としてさも携帯(むしろメールかな)が悪いかのように語られることがとても多いですが、携帯とかメールとかっていうのはあくまでツールに過ぎないんですよね。ツールがもたらす功罪は確かにあるのだけれど、結局はそれを使うのも結果を生じさせるのも生じた結果を受け止めるのもあくまで人です。


本作の二人は、最初は一通一通のメールに縛られていて、メールの頻度が少なくなるほど反比例するように強く縛られていくんだけど、最終的にはその呪縛から逃れてそれぞれの結論を導き出します。そしてその導き方や結論ががとても純粋な想いによるという部分、そここそが本作品の好感に直接結びついているところだと思います。



この作品の設定はとても好きです。背景には結構盛大に戦争的なものをしているにもかかわらず、それはあくまでただの背景でしかなく、主軸は若い男と若い女の普通の言葉のやり取りに置かれています。そう、まさに「コミュニケーション」が主題なわけです。
そりゃ明らかに旧式の携帯端末から送ったメールが宇宙空間を飛び越えて相手に届けられるとは現実的ではないですが。いやでも、もしかしたらこの旧式端末さえも時間(距離)を超越する、というところに係っていたりして。
#そりゃさすがに深読みしすぎですね。



ただラストの二人で一緒にいう台詞の部分はやりすぎな感じで、いまいちでしたね。ちょっとダサい。なんか卒業式みたいと思ってしまった。もう少し自然に終わって欲しかったなぁ。

短いのでさくっと見れるし、感情的にも適度にさらっと見れます。良い作品だと思います。☆3.5。

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